インディアンジュエリーの代表的な工法について説明します。

インレイ技法

まずはインレイ。これはターコイズやサンゴ、オニキスなどの石やマザーオブパールなどの貝殻を平たく切り、様々な形を描いたりするようにしながら張り合わせていく方法です。ズニが代表的ですが、ナバホも最近はよく使うようです。左は複数の種類の石を使ったライターケース。そして右はマラカイト(孔雀石)だけを使ったウオッチベルトです。インレイといっても、シール状になっている石を貼った比較的価格の安いものから、ソリッドインレイといって石を切り出してはめ込み、間に銀線をいれたりするものまでグレードはたくさんあります。ソリッドインレイは手がかかるため熟練したアーチストだけで、価格もとても高くなります。

 

チップインレイ

チップインレイとは、ターコイズやサンゴを細かく砕いて、それをシルバーで作った境目に流し込んでいる技法です。時計のバンドやブレスレット、そしてリングなどによく使われます。特にズニが多用します。

 

 

オーバーレイ

オーバーレイは、型抜きしたシルバーを張り合わせて模様を彫ったように見せる技法でホピが代表的です。しかしナバホもよく使います。手間がかかるため、価格的には単純なものより高価になりがちですね。

 

ニードルポイント

ニードルポイントはティアドロップ型に切った小さなターコイズを使って花のように美しいジュエリーを作るものです。数多くの石を使うので、そのひとつがはずれて落ちたりする可能性も高くなるので、いつも留め金がしまっているか気を付けた方がいいでしょう。ナバホやズニがよく使う手法です。大きな物は非常に価格が高くなります。

 

ターコイズ以外の石
インディアンジュエリーには、ターコイズ以外にもたくさんの種類の石や貝が使われます。その種類とだいたいの説明です。石言葉は一般的なもので、ネイティブアメリカンが言っていた内容ではありません。下記に挙げた石の種類は代表的なものに過ぎません。ほかにもたくさんの種類の石が使われています。


貝殻 貝殻はカルシウムカーボネイトから出来ており、様々な種類の色があります。ヘイシビーズを作るのに使われたり、インレイ作品に使われています。アメリカ原住民の間でよく使われいる貝殻には下記のようなものがあります。

あわび − 軟体動物の貝殻で、通常メキシコから産出され、玉虫色がかった青緑色をしています。

コヤス貝 − この貝殻は光沢があり、よく茶色い水玉がみられる中国風の貝殻で、通常インレイに使われます。

ゴールド・リップ − カキの内側の一部で、美しいゴールデンがかった玉虫色をしています。

メロン − この貝殻は薄いクリーム色をしていて、よくヘイシに使われます。

マザー・オブ・パール − 南洋真珠貝の内側の表面で白がかった玉虫色をしています。日本の養殖真珠はアコヤ貝ですが、本来の真珠は南太平洋のマザーオブパール、日本語では南洋真珠貝という大きな貝が自然に作る物でした。マザーオブパールは貝殻自体が厚くて大きいため、その殻を使っていろいろなものが作られます。南洋真珠貝にも白蝶貝、黄蝶貝、黒蝶貝とあり、それぞれ色が異なり、白いパールカラーから、黒い物、金色の物まであります。光を当てるとボーッと光るような色が出るため、大変美しいものです。実はうちの主人が釣りのルアーを作るのにこの貝をグラインダーで削っているので見慣れています。

ペン − この貝殻は土のような茶色をしていて、よくヘイシに使われます。

ピンクムール貝 − この貝殻はミシシッピのデルタ地域から産出され、美しい玉虫ピンクをしています。

スパイニー・オイスター − この貝殻はメキシコのコルテスから産出され、紫、赤、オレンジ、黄色などの色があります。写真はオレンジとレッド。この貝の細工の作品は比較的価格が高いものが多いです。


オパール  オバールは石英(シリコン)に水が加わったものです。10月の誕生石で石の言葉は無邪気、安楽。インディアンジュエリーにはオパールがよく使われていますが、大半は人工オパール(マンメイドオパール)です。では人工オパールは本物ではないのか、というと、オパールはエメラルドなどと同じく合成できてしまうので、人工ではあっても偽物ではないということになります。もともとインディアンジュエリーは、ターコイズなどを含めて裸の石そのものにダイヤやルビーのように価値がとてもあるというたぐいの物ではなく、デザインやテイストを楽しむものですので、アーチストたちも人工のオパールを採用しているのだと思われます。いわゆる白いパールカラーのほかにブルーや虹色のものなど各種あります。人工オパールの他、模造のプラスチック製もあり、こちらのほうが見分けるのがさらに困難なのだそうです。
 本物のオパールは水酸化シリカゲルで5〜10%の水を含む硬い石です。小さなシリカの表面が光を屈折させるために玉虫色をしています。表面が広ければ広いほど、屈折する色の範囲も大きくなります。オパールは非晶質のため、長い間には乾いて割れる可能性があります。価値のあるオパールは水成岩の空洞や火山岩の石目に見つかります。また、化石化した木や、貝殻、骨などの中にできることもあります。
サンゴ サンゴもよく使われます。ターコイズに次いで使われるといっても過言ではないでしょう。ターコイズのブルーとサンゴの深紅はとてもマッチするため、組み合わせて使われる場合も多いです。これもカルシウムなので酸性のものにふれると溶けてしまいます。日本では3月の誕生石で石の意味は聡明、長寿、幸福。最近はワシントン条約により、なかなか流通が難しいようです。
タイガーズアイ 水晶の一種で、虎の目のようなキャッツアイ模様が出ています。キャッツアイの出る宝石の中では比較的安価なため、たまに使われています。
オニキス オニキスはメノウの黒い物をいいます。単独でも使われますが、アクセントをいれるために他の石と組み合わされることも多いです。かなり落ち着いたイメージになります。オニキスは微晶質の石英、玉髄の一種です。世界中で産出され、溶岩のガスでできた空洞の中でシリコン二酸化物が堆積されて形成されます。オニキスは北アメリカだけでなく、チワワやメキシコの広い範囲で産出されます。宝石に使われている混じりけのない黒のオニキスは染められたものです。染色されたオニキスは光や熱にも強いです。
琥珀(アンバー) 琥珀は古代の木の化石化した樹脂や樹液です。通常、透明から半透明で、ゴールデンイエローからゴールデンオレンジの色をしています。表面が割れたり、風化していることがよくあり、時には、何百万年も昔にそのねばねばした物質にとらえられた虫が入っていることもあります。琥珀をこすると、ほこりをひきつけるマイナスの電気を発します。宝石に加工する際には、外見をよくするために加熱されたり、染色されたりします。ポーランドの海岸線とかつてのソ連に沿ったバルト地域が最も有名な琥珀の堆積地帯です。アメリカを含め世界中でも発見されています。琥珀はプロの技術をもって磨かなければなりません。また化学物質や超音波との接触は避けてください。
マラカイト 孔雀石とも言われます。マラカイトは不透明な緑の石で、濃い緑の縞があるものもよく見られます。銅ヒドロキシカーボネイトで通常ザイールやアリゾナなどの銅産出地域から見つかります。過去には、マラカイトは危険や病気を撃退するとして、身につけられていたようです。超音波と化学物質はマラカイトにダメージを与えます。。
ラピスラズリ

 12月の誕生石として知られます。石の意味は高貴、健康。日本では瑠璃と呼ばれた鮮やかな青い色の石です。青と言っても紺に近いですね。 この宝石は特に歴史が古く、古代エジプトの時代から使われていたそうで、アフガニスタンから日本やヨーロッパまで広く利用されました。

 ラピス・ラズリはラジュライトとしても知られていますが、硫黄と混ざったナトリウム、カルシウム、アルミニウムのシリケート(ケイ酸塩)で濃い青色をしています。高価なものには、白い方解石と明るい黄色のパイライト(黄鉄鉱)の小さな斑があります。通常、巨岩や石灰石の中に形成されます。アフガニスタン、アルゼンチン、ロシア、チリ、アメリカで産出されています。ラピスはツタンカーメンのデスマスクをはじめ、有名な美術品にも使われています。ある地域では、つけている者を悪から守ってくれると信じられ、身につけられているようです。超音波と化学物質はラピスにダメージを与えます。